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乾燥肌の原因
肌表面の角層に水分が約20%あれば正常。それ以下だったら乾燥肌。
角層とは、肌のもっとも表面のことです。角層は、角質細胞という死んだ細胞が約20層積み重なってできていて、細胞同士の間に細胞間脂質という脂質がありこれが肌の潤いを守る役割をしている。
細胞間脂質のうちもっとも重要なのがセラミド。
セラミド分子の間には水分子が挟み込まれ、この水分は湿度0%になっても蒸発しないのです。
セラミドと水は交互に折り重なっていて細胞の間を満たしていて、これがあるおかげで健康な角層は冬の湿度が低い時期でも肌の水分を守ることができるのです。
角層のセラミドは年齢とともに減ります。また間違ったスキンケアでもセラミドは奪われ、乾燥肌を導きます。
特に強すぎるクレンジング、界面活性剤を多く含むリキッドファンデーション、日焼け止めクリームも刺激の強いものが多いです。
乾燥肌の対策
保湿成分でうるおす(カギはセラミド)
①水分を挟み込むタイプ
水分をサンドイッチ状に挟み込み、湿度がどんなにさがっても水分をキープできる最強の保湿力をもつタイプ。
有効成分
・セラミド(セラミド2、セラミド3)
※セラミドの後ろに2,3などの数字が書いてあるものが本物のセラミド。セラミド6、セラミド10もあるが、2や3の方が効果は上です。
・セラミド以外のスフィンゴ脂質(スフィンゴリピッド)
・水素添加大豆レシチン
・ステアリン酸コレステロール
②水分を抱え込むタイプ
ゼリーのように水分を含み、肌の内部に水分をとどまらせることができるます。湿度が下がっても保湿し続けますが、①よりは弱め。
・ヒアルロン酸
・コラーゲン
・エラスチン
・ヘパリン類似物質
③水分を吸着するタイプ
水分を吸って吸着することができるタイプ。湿度が下がると同時に保湿力も低下してしまうので、効果は弱め。化粧水などによく使われているタイプ。
・アミノ酸
・PCA(ピロリドンカルブン酸)
・PG(プロピレングリコール)
・天然保湿因子(NMF)
・グリセリン
・1.3BG(プチレングリコール)
スキンケアでうるおす
①刺激のつよいオイルクレンジングをやめる
②リキッドファンデーションをやめる
リキッドファンデーションやクリームファンデーションは、乳液状の液体に顔料(色素の粉)を混ぜて、乳化剤(界面活性剤)で安定させています。また、水分を含むタイプほど腐りやすいので防腐剤も使われています。
界面活性剤は、長時間肌につけていると、肌のうるおいを溶かしだし乾燥しやすくするので要注意です。
パウダリーファンデーションは、顔料の粒子を油分で固めたものです。水分がないのでリキッドよりは、添加物が少ないのでおススメです。
練り状(固形)タイプのファンデーションは、顔料に油分を加えて練ったものです。添加物は少なめで、パウダーよりのびがよく粉浮きもしづらいので乾燥肌の方にはさらにおススメです。
③化粧下地をやめる
化粧下地は、肌色の補正や毛穴や凹凸の補正、UVカット効果をもつものもありますが、毎日つかつのは肌への負担になります。
化粧下地の変わりに、美容液を使用するのがおススメです。
間違った保湿ケア
①スチーマー
水分を肌にあてても、水分は肌にとどまることができないので時間がたてば蒸発してしまいます。保湿にはなりません。
②化粧水スプレー
保湿には化粧水がいちばんと思い込んでいる方がみられます。オフィスなどで、乾燥が気になるときにスプレーできる化粧水は手軽で人気なのですが、化粧水には保湿成分はあまり含まれないので、肌に留まることなくすぐに蒸発してしまいます。
水分ではなく保湿成分を肌に与えないと保湿はできません。
③水分を摂る
水分をたくさん摂ると、余分に摂った水分は尿として排出されます。たくさん摂った水分が肌にまわるということはないのです。
肌の乾燥を防ぐカギ セラミドとは?
肌は、角質層、表皮、真皮の三層構造になっています。
肌のいちばん上にある角質層は、死んだ細胞の層でできています。死んだ角質細胞がレンガのようにびっしりと並んでいて壁のようになり、外からの物質の侵入を防いています。
その角質細胞どうしをつないでいるセメントのようなものがセラミドなどの細胞間脂質です。この細胞間脂質は、いろいろな物質がまざりあってできていますが、そのうち約60%はスフィンゴ脂質や遊離脂肪酸などで構成され、残り40%はセラミドが占めています。このセラミドなどが少ないと、角質層に隙間ができて、外部の刺激が肌内に入ってしまい、肌内の水分が蒸発して乾燥したり、敏感肌になったりしてしまいます。
セラミドの作られ方は、表皮細胞がターンオーバーして角質細胞に変わる4週間をかけて、細胞の中で作られます。そして、角質細胞に変わる瞬間に細胞の外に放出され、細胞の周りを埋めてセメントのような役割を果たすのです。
セラミドが不足する原因は、加齢とともにターンオーバーが遅くなり、セラミドが作られ方も低下してしまうからです。その他にも、強すぎるクレンジング剤のせいでセラミドをとりすぎてしまっている場合も多いのです。